どうもジャッカルです。
前編の幸先のいいスタートからどん底に突き落とされる後編のスタートです。
↓前編↓
【バイク前半】
前回参加した2019年はT1の時点でパンクしてしまっていて焦って20分以上ロスしたが、今回は特に問題もなくスタート。
調子は悪くないが、現地でパワーメーターが壊れてしまっていたため、ケイデンスとパワーが分からないのは単独走のロングにとっては致命的。とりあえず感覚で進むしかないので、雨が少しでもマシな前半に稼ごうとぶっ飛ばす。
21㎞地点のモンキーゾーン終わりに給水があることが分かっていたので、ボトル1本のみ詰んでひたすら攻める。
前半60㎞地点くらいですでに雨は酷かったが、80㎞地点くらいまではそのまま問題なく前を抜くのみで進めたので、この地点までは年代別3位総合17位くらいだったと思う。
今回よかったのは雨があらかじめ分かっていたので、九十九里での大雨の経験を活かしてサングラスに防水スプレーを塗っていたこと。マジで必需品だった。
スポルファレインホッパー スポーツアイウェア レンズ用撥水スプレー
ボトルに入れたエネルギーはこちら
スプーン印 ピュアパラ ( 1kg ) パラチノース ノンフレーバー エネルギー 補給 ( ロードバイク / マラソン / 持久スポーツ ) てんさい糖
GronG(グロング) BCAA 必須アミノ酸 グリーンアップル風味 1kg
【バイク中盤】
ここから明らかに異常が現れる。カラダが凍え始め、震えてしまって力が入らずブレーキが握れないうえ踏んでも力が出ない。元々寒さに弱いのでピンと来た。
あっ。やばいコレ低体温の時の症状だ。
しかし、まさかマレーシアで低体温は想定していない。更に雨で濡れまくったウェアがお腹に張り付いて冷えてしまってお腹も壊す。そして抜かれまくる。汚いながらもギリギリの範囲でドラフティングしてやろうと思っても1mも付けない。やばいこれはリタイヤするやつだ……
もうギリギリの状況で2回目のモンキーゾーン終了の120㎞地点までに10人くらいに抜かれた。ずっと大雨で道は冠水してるし、お腹痛いし、力入らんしずっとリタイヤしようと考えるくらい気持ちが切れていた。
そんなままなんとか進むと130㎞地点くらいでなんと完全に冠水した道が出現。181㎝の自分ですら膝上まである深さの道が目の前に30mくらいあり、明らかに進めない。
どうするのかと思えば、みんなバイクを担いで渡っているではないか!
『マジか!!』って絶望して叫んでたら同じ日本人の参加者に見られてたらしく後から笑われた。(だってこんなことあるか?と思うレベルよ)
そんなことを言っても仕方ないので、濁流の川??を5か所くらいバイクを担いで渡りながらクリア。もうこの時点でタイムとかどうでも良くなっているし、Di2がやられなかったの奇跡。(後から聞いたら、Di2が死んだ人、パンクは多数だった)
【バイク後半】
ようやく40kmくらい。もう腹痛も限界だし、低体温で視力が落ちて目も見えなくなってきて、いよいよやばい。
低体温症の主な症状と初期症状|体温ごとの変化と治療方法を説明 | 健達ねっと
もう限界になった時点で事件が!
『脱糞!』
終わった……頑なに人としての尊厳を守ろうと腹痛を我慢していたのに、とうとう一線を越えてしまう。(なお、固形物はほぼ摂っていないのでビチビチ)
未だにバケツをひっくり返すレベルの雨は降っているし、ウ〇コは余裕で流れ去るだろうと考え、ここで色々と吹っ切れる。相変わらずここからも抜かれまくって順位を落とすが、今ある全力を尽くすしかないということでひたすらに脚を回してバイク終了へ…
【T2】
なんとかバイクパートを終えたが、フルマラソンを走れる自信がなく辞めるなら今しかないと思い悩む。(実際30秒くらいだが感覚的には30分くらい悩んだ)
ここで思い浮かんだのはやっぱり、先日海外遠征中に事故で亡くなったチームメイトだった『宮崎集』のこと。
近所に住んでいたから妹みたいな感じで最後までご飯とか面倒見ていたほど仲良かったけど、もう故人なので彼女はこの苦しい思いすら出来ないしトライアスロンもできない。そう思うと俺は苦しいだけで死ぬ思いはしてるけど死ぬわけじゃない!!と言い聞かせ足を進めることを決める。
もちろんここでもトイレに駆け込み時間をロスするがさっぱりしてスタート。
ここでゼッケンベルト付ポーチは役立った
ポーチ内には以下を装備
Meitan(メイタン) サイクルチャージ カフェインプラス 15包入(40g×15包) 4007
【ラン前半】
T2を飛び出したら足元ドロドロ...まるで田んぼの中な泥の上を300mほど進んでアスファルトヘ。
無理せずに刻もうと計画し。3.5キロ地点くらいまでは4:40/kmくらいで進める。
ふむ。きつくもないし順調だ。
しかしバイクまでは寒かったのに気温は27度くらいあるからか、走り出すと暑い。水を被りながら走っていると早々に異変が。やばいお腹が痛くて寒くて手足も痺れる。お腹を抱えてうずくまる。ここからタイムがみるみる落ちていき5:30/kmがやっと。
そしてとうとう12km地点でトイレに駆け込む。(何回トイレいくねん)
【ラン中盤】
12㎞地点でトイレにいった後は、一瞬復活してキロ5くらいに戻るもまたすぐにお腹が痛くなりを繰り返して、意識朦朧としていたら20㎞地点の折り返しでコースを間違える。。。500mくらい無駄に走り、スタッフに止められて戻る。
結局ランの間だけで6回トイレに行くし、コースミスるし、何分ロスしてるねん!と10分以上ロスしてしまいマジでつらかったけど、行くと決めたからには完走すると決め走り続ける。しかも走りながらもトイレまで間に合わずに何回も漏らしてる…
途中、すれ違いの人、応援の人のジャッカル~の応援がつらかった。。。こっちウ〇コ漏らしてまんねん。返事したいけど声出すとまた出そうやねん。
【ラン後半】
それにしても暑くて湿度が高くて気持ち悪い。
そんなギリギリの綱渡りを繰り返しながら、その時の自分の最高の力で走って残り2キロ。
背の高い欧米人がずっとついてくる。ギリギリの状況だけど相手のエイジ番号を確認する余裕はないし、後ろ向いてキツそうなことを悟られたらマズい!!!と思って冷静に刻み続けるが依然としてベッタリ付いてくる。ここで最も最悪な状況は
『自分がコナのデッドライン上に居て、相手が同じエイジで、最後のスパート勝負で負けてコナを逃すこと』
両脚攣ってるし、自分はスプリントに自信がないのでここで出来る最高の選択は残り1.5㎞からロングスパートをかけて引き離すこと!
そこからは死にもの狂いで走りました。(でもキロゴ切るくらい)ほんとにギリギリまで付いてこられたけど残り300mくらいで後ろから足音が遠ざかっていく!よし!このまま突っ込め!!!ということでゴール。
ラン自体は3時間41分くらい。よく粘ったオレ。
写真の真後ろに、その欧米人いるけどゴール後にハグ。
でもよく見たら全然関係ないエイジ。。。おい!後ろからなら分かってたやろうし、こんなに焦らせんなよ!!
【ゴール後】
スタッフにフィニッシュ後のエリアに促されるがプツリと糸が切れたように歩けなくなり、その場に倒れる。そこからあまり記憶がないが頭がぐるぐる回ってやばいコレ死ぬやつやと思いながらしばらくゴールエリアに倒れていた。
やっと回復してスタッフに起こされ抱えて移動させられる。
そしてようやく回復してなんとか歩き出す。最後まで助けてくれたスタッフのお兄さんありがとうm(__)m
この時点で自分の順位は全く分かっていないけど、自分の力を全く出せなかった時点でほぼ100%KONAは諦めていました。
【翌日のセレモニー】
もしかしたらがあるから絶対にセレモニーは行けよ!とみんなに言われたのでダメだと思ってる分悲しいな。。。と実は気持ちはめっちゃ暗いまま向かう。
ロールダウン発表は女子から
現地に着いたら女子から発表スタート。近年はアイアンマンは女子の参加者を増やすためにスロット枠を変えていて、例年はエイジに1枠とかしかないのに少ないエイジも2枠とか発表してるし、あぁこれは男子の枠減るから希望消えたわと余計悲しくなる。
いよいよ男子の発表
どんどん発表されていくが、それにしても日本人が多い。やはり日本人の高齢層は強いな。。。と感心。みんなにジャッカル大丈夫!可能性ある!と言われるもほぼ諦めているので期待はしていない。
横に座っている淡路島の仙人山田氏に実はドキドキしてるんやろ?心拍見せてみ?と何度も言われるもガーミン見ても50台ww
冷めてるなぁ~と言われるがだって諦めてましたもん。
【結果はっぴょ~~~~~】
いよいよ35‐39エイジの順番が回ってきた。エイジ1位は藤井さん。なんたって総合でも2位ですから。いや~~~すごい。
続々と呼ばれていき、さすがにここまで来たら少し淡い期待を抱いていて祈っていたら
Samさんから『ジャッカル森川!!!』のコールが!!!
( ゚Д゚)!?!?!?!?!
へ?俺スロット取れたの???周りがめっちゃ喜んでくれて壇上に送り出される。
めっちゃ嬉しくてありがとう!!!と叫ぼうと思ったんだけど、色々なことが走馬灯のように思い返されて涙が溢れてそれどころではなかった。
人前でなくキャラではないし初めて人前で泣いたかもしれない。俺にも人間の血は通っていたようだ。
【さいごに】
今回トライアスロン歴30年の参加者に聞くと過去30年で一番過酷なレースだったとのこと。さらに自分も絶不調になってしまい、今までで一番つらかった。
粘るとか我慢とかそんな言葉を何個並べても足りないくらい辛かったし、自分一人では1000000%辞めていました。
やっている間はずっと一人なんだけど、もうトライアスロンができなくなった仲間、現地での応援、みんなからのメッセージ、サポートいただいている企業様、仲間との約束や期待に応えたい思い、それらだけが原動力でした。
本当に粘り切って良かった。。。
この場を借りまして、皆様本当にありがとうございました!!!!
次回の更新では使ったギア、補給や後日談をまとめます。
おわり
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